マネーラウンジ

お金は、ただのツールに過ぎない。

とても大きな勘違いをしていたのかもしれない

このブログを始めたきっかけは、読者(はてブ民)に金融リテラシーを高めて欲しいと思ったから。

なぜなら、金融リテラシーを高めれば日々の暮らしでお金に悩むことがない、もしくは悩むところが明確化されるため、必要以上に金銭に悩むことがないという点で精神的に健全な生活を送れるようになると考えたから。


でも全然PVが伸びない。平均したら1日10PVもいかない。どうしてだろう。記事がつまらないから?それもあるだろうが、スター数やブクマ数とは異なり、記事のつまらなさはPVには直接影響しないはずだ。記事の内容ではなくタイトルが興味を惹かない、というのはあると思う。

それ以外だと、はてブ民は金融に関心がないのか、と言えるかというとそうでもない。つい先日もRepoLogさんの「子供2人を育てる適正年収」という記事がトップにきていた。


そこで僕はこれまで「だったらもっと分かりやすく金融に関心を持ってもらえる記事を書こう」なんて考えていたのだけど、今朝通勤電車に揺られながらふと思ってしまった。ひょっとしてとても根本的で大きな勘違いをしていたのかも。

僕は「はてブ民、いや多くの日本人は金融リテラシーが低い人が、それを高めたいと思っている」と考えていた。しかし考えてみれば、基本的にはてブ民は情報を集め、また有用な情報はブックマークをして知識を蓄積する、自主的に行動している集団だ。平均以上の情報リテラシーを持つ集団である。

自分で考えて行動できるのだから、金融リテラシーはすでにそれなりのレベルにあるのではないか。もしくは金融リテラシーがそんなに高くなくても、現在の生活に満足していて金銭的な不安は特にないから、金融リテラシーを高めたいわけではないのではないか。そのような人達に初心者レベルの金融リテラシーを講釈したって全然響かない、というよりむしろ「なんだ偉そうに」となって見向きもされないのではないか。


と、いろいろ頭の中に考えが浮かんだけど、そもそも記事数が30に満たない初心者に過ぎないので、これからも広く興味を持ってもらえる題材とからめて記事を書いて蓄積していくしかないんだろうな。

子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせるのに必要な適正年収は?

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はじめに

この10月から、子供がインターナショナルスクール

(以下インタースクール)に通いはじめました。

 

いわゆる有名なインタースクールとは違って外国人はあまりおらず、

バイリンガル教育と主体的な行動力を育むことに力をいれているところです。

 

インタースクールを選んだ背景や

普通学校との経済的比較については、前回紹介しました。

money-lounge.hatenablog.com

 

その翌日、興味深いレポートを発見。

発見というか、はてブロのトップ記事。

 

それは日本で子供2人を育てる適正年収をレポートしているものでした。

まだまだ小さい子供2人をこれから育てあげる

我が家にうってつけのテーマで即クリック。

 

www.sekkachi.com

 

熟読完了。

なるほど日本では、子供2人を育てるのに年収650万円必要だと。

 

シミュレーションにおいては、

比較的影響度の小さい項目はざっくりとしつつ、

影響が大きいものは丁寧に入力しており、

リアリティ感が十分ある。クオリティ高し。

 

・・・・このシミュレーション、

ウチのケースでやってみたいんだけど!

というウズウズがとまらないので、やってしまいました。

幾つかの項目はRepoLogさんをリスペクトし、

そのままパクらせて活用させていただきました。

 

満たしたい条件 

RepoLogさんのレポートでは、

以下の3条件を満たす適正年収を試算していました。

  • 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
  • 子供2人を奨学金を借りることなく大学を卒業させる
  • 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる

 

 

今回のシミュレーションでは

2つ目の条件を少しアレンジしています。

  • 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
  • 子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせ、奨学金を借りることなく大学を卒業させる
  • 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる

 

 

なおインターナショナルスクールを小学校までとする理由は、

  1. 我が家の娘が通うスクールが小学校までであること、
  2. 我が家で重視している「バイリンガル」および「主体的な行動力」の素地は小学校卒業程度で出来上がると考えたこと、
  3. 高校卒業まで通わせるのは費用が高すぎて検討対象にならない可能性があること

が背景です。

 

ローンについて

インターナショナルスクールを検討するファミリーが

もっとも多いと考えられる、東京で中古マンションを購入して

ローンを組んでいると考えます。

 

東京カンテイ社の最新レポートによると、

東京都の中古マンション価格は70㎡換算で5,200万円。

4人家族ということで広さは80㎡とし、

マンション価格は6,000万円とします。

 

 

【方法】住宅金融支援機構・資金計画シミュレーションを利用

RepoLogさんと同様、資金計画シミュレーション - 住宅金融支援機構

を利用することで、分析を行っていきます。

 

【入力】35歳夫婦で年収1,000万円を想定

世帯主情報について

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ここでは35歳の会社員を世帯主として入力します。

あまり複雑にならないように35歳直前で手に入れた

マイホームの諸費用はすでに払い終えた状態を想定します。

 

ここでの入力データは、年収の1つの大台である

1,000万円を基準としたものです。

 

なお年収が1,000万円を超える人の割合は4.1%。

街を歩くサラリーマンを25人集めたら1人は

1,000万円を超えていることになります。

 

ちなみに退職金はあえて入力していません。

各人で大きくことなるものですし、

後でわかりますが結果のグラフが歪みやすくなるためです。

 

続いて、家族情報です。 

 

家族情報について

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想定としては同じ歳の配偶者がおり、子供は

1歳の長女と、翌年次女が生まれることとします。

 

妻の就業状況はRepoLogさんを参考にさせていただきます。

現在育児に専念しており収入はありませんが、

次女が2歳になったら月8万円程度(年間100万円)稼ぐ前提です。

 

夫婦でフルタイム勤務ではなく、

世帯主の所得をサポートする程度となります。

 

家計支出&児童手当情報について

まず住宅ローン6,000万円を30年ローンで借入れ、

中古マンションを購入したこととします。

 

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金利はフラット35を想定し、1.5%の30年全期間固定とします。

続いて毎月の生活費について紹介します。

 

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こちらの金額は、生活費については

我が家のデータを参考にしています。

Replogさん同様、生活費の中に保険代も含んでいます。

 

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その他の支出として、

車購入代…100万円の軽自動車と150万円の家族用中古車

家族旅行…年1回程度

住宅関連費…火災保険・地震保険・家電買換え

車維持費…車検代・税金・修理費

これらを計上していきます。

 

児童手当情報についてもReplogさんと同じく付け加えておきます。

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最後に、子供2人分の教育費について入力します。

教育費はReplogさんとは大きく異なる部分です。

 

子供2人分の教育費について

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今回の分析においては、

幼稚園と小学校がインタースクール、

中学校から大学までは私立に通うという設定を考えていきます。

 

入力金額の根拠ですが、

我が家の子供が通いはじめたインタースクールは2歳から入れます。

 

授業料と課外活動費を含めると年間120万円程度の

授業料がかかると想定されるため、5年間(2-6歳)で600万円。

入力できるのが最大3年だったため、年200万円としています。

 

小学校は年間150万円程度を見込んでいましたが、

当シミュレーションで自動入力される金額が153.6万円だったので、

そちらを採用しました。

 

中学校と高校では当シミュレーションの自動入力される

数字を使用しています。

 

 

さて大学ですが、授業料については文部科学省の平成25年度

私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」を使用しています。

 

長女:私立文系に進学

次女:私立理系に進学

とし、4年間にかかる授業料総額を足しあげていき、

それを4で割って年平均額としています。

 

また自宅から通学するものとし、

月5万円(年60万円)の援助を行います。

それ以上の生活費はアルバイトでまかなうとします。

 

 

以上が、ここでの状況設定となります。

35歳で年収1,000万円、住宅ローンは年収の6倍とすこし高めです。

シミュレーションでは、1,000万円でやりくりができるのでしょうか。

 

【分析その1】35歳で年収1,000万円のケース

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シミュレーション結果は、

年収1,000万円では子供2人を育て上げるには

必要年収に達していないということになりました。

正直全然足りません。

 

次女がインタースクールに入ると同時に

貯蓄がみるみる減っていき、

次女が大学を卒業するまでマイナスが続きます。

 

続いて、年収がもう少し高い場合の分析です。

こちらが今回のメイン結果となります。

 

【分析その2】35歳で年収1,150万円のケース

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冒頭に掲げた3つの条件

  • 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
  • 子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせ、奨学金を借りることなく大学を卒業させる
  • 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる

これらをクリアしています!

 

35歳時で年収1,150万円が必要という結果。

最初の分析である1,000万円から変更した点は年収のみです。

 

「あれ?3つ目の条件クリアしてなくね?」

という疑問を持った方、そのとおりです。

 

収入情報で退職金を入力しなかったので、

例えば60歳で500万円以上の退職金を得ていることが、

3つ目をクリアする条件となります。

 

【結論】子供2人を小学校卒業までインタースクールに通わせる適正年収は35歳で1,150万円以上

この結論をみて、みなさんはどう感じましたか?

私は正直にいうと、案外手が届く人が多いかなと。

今まで敬遠していた人も検討できる可能性があるなと感じました。

 

金融業界の友人や同僚を見渡すと、外資系でなくても

家賃補助や交通費補助など含めればは、1,150万円は

非現実的な高嶺の花ではないように思います。

 

今回の分析はおそらく万人受けしないと思います。

ただ、インタースクールに関する情報は少なく、

いたずらに「インタースクールはやたら高い」という

イメージだけで検討対象から外す人がいるのならば

とても勿体無い話であり、少しでも参考になれば幸いです。

 

PS

有名インタースクールは超高いです。

幼稚園から高校卒業まで入れると約4,000万円。

我が家では瞬時に検討対象外です。。。

 

 

 

インターナショナルスクールと普通学校の費用を比較したら

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教育機関に期待すること

突然ですが、現在2歳の娘がいます。

 

妻もぼくも子供の教育について

きちんと考える必要があると感じていて、

一年以上にわたり子供をどのような教育機関に

入れるべきかを話しあってきました。

 

その結果、少なくとも次の2つを

満たすところにしようということになりました。

 

  • 母国語である日本語とグローバル共通語である英語をともに習得できるバイリンガルを育てていること
  • 物事を自分で考え発信する主体的な行動力を育くむ姿勢があること

 

この2つを最低限身につけられれば

世界のどこにいても生きていけるのではないか

と考えたためです。


そしてこの10月、長女は

インターナショナル(プリ)スクールに

通い始めます。


小学校卒業までそこに所属する予定。

相性が合えばいいのだけれど。

 

ちなみにインターナショナルスクール(以下、インタースクール)といっても、

学校教育法第一条に規定されている学校(通称「一条校」)ではなく、

国際的な資格である「IB(国際バカロレア)認定校」でもありません。

そのため中学からは普通の公立や私立に通うことになります。

 

高いから検討しないのか。安いなら通わせたいのか。

ということで、我が家の教育機関に関するプランは

今のところ道筋が出来ているのですが、

周りの友人や職場の同僚のケースでは、

「インタースクールは高そうだから」

と言って検討する素振りさえみられません。

 

英語力や主体的な行動力の必要性については

理解を示すものの、従来型の幼稚園や学校に

通わせて(通わせようとして)います。

 

もちろんそのこと自体は各家庭の

教育方針があるため構わないのですが…

 

ここでふと思いました。

インタースクールが高いから検討しないのであれば、

手が届く費用だったら検討するのだろうか。

もしそうならば、インタースクールはどれくらい高いものなのか。

 

我が家もお金に余裕があるわけでは全くないのですが、

学費に関してはきちんと数字に落とし込んで

比較検討していなかったので、調べてみました。

 

幼稚園から大学卒業までにかかる費用

まず見ていただきたいのが、文部科学省のレポート(下表)。

平成21年度の文部科学白書データですが、現在でも参考に値するものです。

 

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(出所)平成21年度 文部科学白書

第1章 家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省

 

 

サンプル数が多くないので恐縮ですが、

友人や同僚の子どもの進路プランを見聞きしていると、

多くは次の2パターンですね。

 

A 幼・小は公立、中・高は私立、大は国内(ここでは私立とする)
B 幼は公立、小・中・高は私立、大は国内(ここでは私立とする)

 

上の表から試算すると、幼稚園入学から大学卒業まで、

Aにかかる平均費用は約1,500万円、Bは約2,200万円となります。

小学校を公立から私立に変えるだけで約700万円増えるんですね、

私立小学校おそるべし。

 

我が家の教育プランと費用

そして我が家(C)のプランはこちら。

C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、大は国内外どこでも(大は学費を援助しない)

 

子どもがプランと違う進路を主張したら

検討するのは言うまでもないことです。

しかしこの記事の主旨は比較することなので、

上記のプランで試算していきます。

 

娘が通うインタースクールの場合、

ざっくり2~6歳(5年間)は年間授業料が100万円、

7~12歳(6年間)は130万円とすると、

小学校卒業までに1,280万円かかる計算です。

また、上の表をみると、中・高を私立とすると660万円かかります。

 

そして大学の学費は一切出さない予定。

行きたければ自分で工面すること。

ここは多くのご家庭と異なる認識だと思います。

 

我が家では、大学の授業料に充てるお金を

幼少期から英語力と主体性を育むことに充てた方が、

結局は自分なりの選択肢を見つけ後悔なく意思決定する力がつく

と考えています。

 

将来は教育の選択肢が多くなる

今でさえ"Coursera"や"edX"のように、インターネット環境さえあれば

ハーバードやMITの授業を無料で受けることができ、

有料ですが単位も取得することが出来る時代です。

(現時点では残念ながら学位までは取れないようです。)

 

また、文部科学省は国際バカロレア認定校等を

2015年11月の88校から、2018年までに200校以上に

増やす戦略を提言しています。

 

例えば公立高校で英語の授業が行われIBの資格を得られるなら、

現在よりも経済的にかなり安く済みます。

 

ということで、子供が中学・高校や大学に行く頃には

今よりも幅広い進路の選択肢が出てきていると考えています。

 

ともあれ、大学の学費を一切出さないとすると

(幼・小)1,280+(中・高)660=1,940万円。

 

仮に大学生のときに月5万円の補助金を4年間出す場合、

追加で5万円×48カ月=240万円なので合計2,280万円。

月10万円の補助金なら480万円の追加で、合計2,520万円です。

 

 有名インタースクールはやっぱり高い

 ちなみに、有名なインタースクールはずっと高いです。

 

ホームページからざっくりと試算したところ、

例えばキムタク・工藤静香夫妻の子どもが通うといわれている

「ブリティッシュスクール・イン・東京」は

授業料だけで幼稚園~高校までで3,700万円、

宇多田ヒカル出身の「アメリカンスクール・イン・ジャパン(調布市)」は

バス代を含めると同4,300万円かかります。たっけぇ・・・。

 

ここまでのまとめ

以上をまとめると、

A 幼・小は公立、中・高・大は私立 1,500万円
B 幼は公立、小・中・高・大は私立 2,200万円
C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、大は出さない 1,940万円(月10万補助で2,520万円)
D 幼・小・中・高は有名インタースクール 高校卒業までで4,000万円前後(お金持ちコース)

 

金額をみると明らかにDが飛び抜けてます。

ここまで高いと実際に通わせる検討対象にならないと思うので、

今回はDは比較しません。

 

いよいよ比較開始

そしてCですが、月10万円補助すると2,520万円と、

A・Bよりも結構高いですね。

しかしそのような単純比較では終わりません。

 

我が家の狙い通りに行けば、

Cでは小学校卒業までに英語力と

主体的な行動力(の基盤)が身に付きます。

 

インタースクールは日本の学校と異なり

主体的に意見を発信することが日常的に求められており、

ときには成績に関連付けられているためです。

 

また普通学校に行ったら英語の勉強に当てなくてはならない時間を、

他の勉強・研究・体験・遊びに回すことが出来ます。

 

英語習得にかかる時間は3,500時間

「主体的な行動力」は残念ながら数値に換算できないので、

ここでは英語力に絞って考えましょう。

 

英語を習得するには何時間かかるのか。

定説はありませんが、ネットで調べる限り

3000~4000時間はかかるという主張が多いように感じます。

ここでは単純化するために3500時間としましょう。

 

学校の英語授業時間は復習・宿題を含むと

1000~1500時間と言われています。

小学校の英語授業が増加傾向であることを踏まえ、1500時間とします。

 

すると、英語を大学卒業までに習得するためには、

3500時間-1500時間=2000時間の追加学習が必要

ということになります。

 

式で表してみる

ちょっとここで一歩引いて、式でまとめてみましょう。

(得られるもの:プラス、支払うもの:マイナス)

 

<再掲>

A 幼・小は公立、中・高・大は私立 1,500万円

B 幼は公立、小・中・高・大は私立 2,200万円

C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、

      大は出さない(月10万補助で2,520万円)

 

◆ 一般的な日本の学校(小学校から大学まで私立)にいく場合に

       獲得するもの(=獲Aとする)

獲A=-1,500万円+(英語力)-(英語習得にかかる総費用)

 

◆ 一般的な日本の学校(小学校から大学まで私立)にいく場合に

       獲得するもの(=獲Bとする)

獲B=-2,200万円+(英語力)-(英語習得にかかる総費用)

 

◆ 幼少期から小学校卒業までインタースクールに行く場合に

       獲得するもの(=獲Cとする)

獲C=-2,520万円+(英語力)+(英語勉強せずに済む2,000時間)+(主体的な行動力)

 

結論

獲Cと獲A、もしくは獲Cと獲Bの差がプラスなら、

小学校までインタースクールに通わせた方が

経済的におトクということになります。

 

  • 獲C-獲A=(2,000時間)+(英語習得にかかる総費用)+(主体的な行動力)-1,020万円
  • 獲C-獲B=(2,000時間)+(英語習得にかかる総費用)+(主体的な行動力)-320万円

 

まず「英語習得にかかる総費用」ですが、

TOEIC・IELTSなど試験対策の教材、

英会話学校、短期留学などが含まれます。

 

数百万円万かけても英語がまったくモノにならない人もいれば、

ほとんどお金をかけずにビジネスレベルの英語力をつける人もいるでしょう。

仮に ここでは120万円とすると上の式は次のようになります。

 

  • 獲C-獲A=(2,000時間)+(主体的な行動力)-900万円
  • 獲C-獲B=(2,000時間)+(主体的な行動力)-200万円

 

次に「2,000時間」の考え方です。

2,000時間というと、1日1時間を英語学習にあてるとすれば、

5~6年間程度に相当します。

 

学生時代という多感な時期の5~6年間、

1日1時間をもっと興味のあることに使わせて

あげられる可能性があると思えば、高くないと思います。

タイム・イズ・マネーです。

 

PS

当然ながら、そんなお金に余裕がないという声は多数あると思います。

 

ごもっともです。

文部科学省のサイトをみると、

日本政府が出している教育費の比率(対GDP)は5.0%と、

先進諸国のなかでもかなり低いです。

 

以下OECD「図表で見る教育2014年版」からの引用です。

日本における在学者一人当たりの教育支出(公財政支出と私費負担の合計)は、OECD加盟国中比較的高い。2011年における、初等教育から高等教育までの在学者一人当たりの年間教育支出額は10,646米ドルであり、これはOECD平均の9,487米ドルよりやや高い。

 

上記のとおり日本の教育支出(金額そのもの)は

OECD加盟国のなかでも比較的高いのですが、

対GDP比では小さくなっています。

日本では、生徒一人当たりの支出は比較的高いが、GDPに対する教育支出総額の比は小さく、これは日本の高いGDPや学齢人口の減少を一部反映している。日本のGDPの2.9%が、初等中等教育及び高等教育以外の中等後教育に対する公私支出に充てられているが、これはOECD平均の3.9%と比べ著しく少ない。


個人が教育に支払わねばならない費用はもっと下げて、

選択できる教育の幅をより広げるべきです。

大阪府は高校無償化制度(収入制限あり)を導入しており、

教育の選択肢の平等という点でとても好ましい傾向だと思います。

 

おわりに

以上、インタースクールに通わせるか否かを

経済的な観点から見てきました。

 

当然ですが、こちらは複数の前提を仮定した試算です。

主体的な行動力が普通学校できちんと身に付く生徒もいるでしょう。

英語習得に1円もかけずにビジネスレベルの英語力を

獲得できる生徒もいるでしょう。

娘が海外大学に行ったら寮費など、

上記に含んでいない費用がかかるでしょう。

 

それでも我が家のように、小学校までインタースクールに

入れるプランを見ることで、何らかの気づきになれば幸いです。

中くらいの幸せはお金で買える

今週のお題「プレゼントしたい本」

 

モノを買うことで得る幸福感では物足りなく感じているすべての人にプレゼントしたい本。

 

お金を増やす!儲かる!みたいな本は、本屋に行けばそれはもう数え切れないほど置いてあります。

一方でお金をうまく使う方法はほとんど聞いたことがないんですよね。

 

でもこの本を読んで思い知らされました。精神的に満たされるお金の使い方がこんなにあるんだなと。

 

紹介記事を書いたので、ご一読いただければ嬉しいです。

money-lounge.hatenablog.com

【本紹介】藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?

アフィリエイトではありません*

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https://www.amazon.co.jp/藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか-藻谷浩介/dp/4761513098


書名:藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?
著者:藻谷浩介、山崎亮
出版:学芸出版社
発売:2012年7月7日
頁数:200ページ


著者は藻谷浩介さんと山崎亮さん

この本は、「里山資本主義」で“里山”という課題先進国日本を救う生き方を提唱したエコノミストの藻谷浩介さんと、「コミュニティデザイン」で住民参加型の総合計画作りなどのプロジェクトを世に紹介したコミュニティデザイナーの山崎亮さんによるトークセッションを本にしたものです。

山崎さんの著書は今まで読んだことはありませんでしたが、日ごろから「お金とはどう付き合えばいいか」「豊かな生活とは何か」を考えて過ごしているぼくには、この書名「経済成長がなければ幸せになれないの?」はど真ん中にささりました。

 

書名をみて

最初に思ったのは、経済成長がなければ幸せになれないなんてこたぁない、ということ。

というか世界だろうと日本だろうと、経済成長したとしても幸せになれるわけじゃないよね?そもそも経済成長と幸せって関係あるんかい?なんてことを考えながら本を開きました。

 

「経済成長」は「年収の伸び」のようなもの

読了後もっとも面白いと思ったのは、経済成長についての表現が分かりやすく、今の日本には経済成長と幸せがあんまり関係ないことがイメージできたこと。具体的には次のような感じ。

国の経済成長というのは経済規模(GDP)の伸び率のことだけど、ここで国をひとつの家庭だとすると、経済規模(GDP)は世帯年収、経済成長は世帯年収の伸びと考えられます。

国の安定的な経済成長が達成されるということは、家庭でいえば安定的に世帯年収が増えていくということ。すなわち一昨年、去年、今年の年収が5%上昇する、みたいなことです(例えば400万→420万→441万)。

でもそんなことで家庭の幸せが測れるとは思えないんだけど・・・?

 

経済成長は資産(ストック)をみていない

安定的に世帯年収が増えていくことってそんなに大事なことでしょうか?
売却できる土地や持家を持っていたり、預貯金がしっかりたまっているなど、ストックがすでに十分あると感じている方は、年収が毎年安定的に増えなくてもいい、あるいは年収がまったく増えない年があっても構わないと感じても全然おかしくない。現在の年収に満足している方も同様かと。

また、人と人とのネットワークや伝統といったお金で測れない資産もありますが、それも年収の伸びには直接的に影響を与えません。

結局のところ、経済規模や経済成長というのはお金のフローを測っているのであって、過去にその人(家庭)がどれだけストックを蓄積できているかという話ではないんです。

更にいえば、ストックが十分にあって、年収も相対的に高くて、しかも安定的に伸びているとしても、その家庭が幸せであるとは限りません。

そんな具合で、年収の伸び(経済成長)とその家庭(国)の幸せの間にはいくつもの隔たりがあるんです。

 

物欲まみれのステージを通り過ぎた日本

ここで最初の質問に戻ると。

Q:経済成長がなければ幸せになれないのか?
A:経済成長で幸せを測るには両者の隔たりが多い。経済成長がなければ幸せになれないということはない。


これが質問の回答です。・・・ただし!

本のなかで藻谷さんが指摘していますが、今の日本は戦後の高度成長期を経て莫大なストックを有しているから上記のような回答がが出来るんです。

戦後間もない日本が経済成長とともに生活の豊かさを手に入れたように、ストックが十分でない発展途上国の人々は経済成長(年収の増加)によってある程度幸せを手に出来るのだと思います。

以下、本から藻谷さんの発言を引用します。少し長いですが本書のエッセンスがつまった部分です。

今の日本はその莫大なストックに頼ってもある程度まで経済を回せるところまで来ていて、かつ何もしなくても年間何十兆円もの金利が入ってきて、食料自給率が39%と言いながら食料輸入額は年間5兆円程度というのが日本の国です。・・・こんな風に、ある意味ひじょうに豊かさが確立されきった状態になったのは、日本の歴史上でも初めてなのです。2、3年どころか20年寝ていても食えるという、歴史上例を見ないストックが貯まった時代に今、私たちはいるのです。

発展途上でモノが不足している社会ではある段階まではやっぱりモノが増えていくことが嬉しいので、いかにモノがなくても幸福だと言っていてもどこかでそのフィクションががたがたに崩れて、みんなが物欲の固まりになる危険性の方があると私は思っています。

一旦物欲まみれというステージをきちんと通り過ぎた後で、やっぱり物欲だけではしょうがないというところに至って初めて、次のステージに行けるのではないかと思います。日本は、むしろ物欲を通り過ぎるところまで来ているので、別の幸福度を入れてもいいように思います。ある程度モノの良さもわかったうえで、モノではないもので精神的にみたされることも必要なんですよ。なにかほどほどのミックスを、我われはたぶん狙っているのではないかという気がします。

最近、断捨離やミニマリストのように出来るだけモノを持たない主義が注目されたり、田舎への移住者が増えたり、パリピが増えたりしていますが、それらは「日本が物欲まみれのステージを通り過ぎて、モノ以外で精神的にみたされる方法を模索しているから」と考えると素直に理解できます。

 

おわりに

今の日本(日本人)は「モノの保有、またはモノを購入できるお金の保有による幸福感」と、「モノではないもので精神的にみたされる幸福感」のバランスを狙っているという藻谷さんの発言を読んだとき思わず「マジでそうだわ」ってつぶやいていました。

そのバランスは県・市・街ごとに異なり、本書では「(街を)ライフステージに応じてそれぞれ選んでいけるということが日本の幸せなのでは」と締めくくっています。
経済成長は便利さをもたらすため、経済成長そのものを悪だとは思いません。しかし便利になっても幸福になるわけではありませんよね。

新しい商業施設にエスカレーターがあっても誰も感激しないでしょう。これがエスカレーターが普及する前なら全く異なる反応だったでしょう。どんな技術であれ、慣れきっちゃうと幸福感を感じなくなるんですよね。

しかし、幸い経済成長と幸福感の向上は相反するものではなく、同時に目指すことが出来ると考えています。以前紹介した、幸福感ををお金で買う方法を著した本はこちら。

 

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2003年より5年間、都内では義務教育初の民間人校長として和田中学校校長を務めた藤原和博さんによる著書で、コチラの記事で紹介しています。

数百円のためにスーパーをはしごする一方で、数十万円のモノはエイヤっと買ってしまう方に超オススメの本です。