PISA金融リテラシー問題の分類(カテゴリ)③プロセス別
PISAとは、OECDが世界の15歳を対象に実施している能力評価テストです。
その科目のひとつ「金融リテラシー」を、PISA金融リテラシーと呼ぶことにします。
さて、PISA金融リテラシーでは問題のカテゴリを「分野別」、「場面別」、「プロセス別」の3つに分けています。
金融とひとことでいっても、コンビニの買い物から世界経済情勢や金銭的道徳まで幅広い領域をカバーしています。
PISA金融リテラシーではどのようなテーマを問題として取り扱うんでしょう?
世界基準で求められている金融リテラシーの分類を把握しておけば、ふさわしい副教材のアイデア整理にもなることを期待して。
今回は「プロセス」について取り上げます。
以下はPISA公式ページの紹介文を和訳したものになります。
誤訳はご指摘いただければ幸いです。
① 情報の認識
「情報の認識」では、各個人が調査を行い、情報を入手し、情報の関連性を認識するときに関連する。
ここでの「情報」の形態は、契約書、広告、グラフ、表、記入用紙や取扱説明書といった印刷物の文字である。
代表的な問題例として、請求書の特徴を問う、銀行取引明細書の残高確認を行う、が挙げられる。
② 情報の分析
「情報の分析」では、与えられた情報の解釈、比較、対比、合成、推定について取り扱う。
明示されていない事柄の認識、すなわち前提条件や金融上の問題の意味合いの認識も含まれる。
例として、異なる携帯電話契約の条件を比較する、ローン広告が暗黙の条件を含んでいそうかどうかを分析する、が挙げられる。
③ 問題の評価
「問題の評価」では、特定の場面における金融の知識や理解を利用し、金融上の正当性を認識または論考することについて取り扱う。
同様に、説明、評価、一般化も含まれる。加えて、金融に関する問題について考えをまとめるため、知識、論理、そしてもっともらしい根拠を利用するといった批判的思考(クリティカルシンキング)も含まれる。
④ 知識と理解の応用
「知識と理解の応用」では、金融の商品や場面についての知識、および金融概念の理解を利用して、金融上の環境に効率的に対処することに着目する。
このプロセスは、複数の条件を考慮しながら計算や問題解決を含む課題に反映される。
課題例として、2年間で発生するローンの利子を計算する、モノの値段が変化したときに購買力が上がるのか下がるのかを考える、が挙げられる。