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【本紹介】中くらいの幸せはお金で買える

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https://www.amazon.co.jp/中くらいの幸せはお金で買える-単行本-藤原-和博/dp/4480878858www.amazon.co.jp

 

書名:中くらいの幸せはお金で買える

著者:藤原和博

出版:筑摩書房

発売:2015年6月25日

頁数:235ページ

 

この本を書いた藤原和博さんは、2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として和田中学校校長を務めたかたで、いまも義務教育改革を中心に被災地支援や趣味のテニスなど、複数のコミュニティで存在感を発揮しまくっている方です。

始めたばかりの小さいブログを細々と営むぼく(管理人)がとても尊敬する方の一人です。

 

さて、この本を読んで1番心を揺さぶられたのは次の一文。

「巨万の富を持っている人よりも、実は、多様なコミュニティを持っている人こそ、はるかに幸せなのではないでしょうか」

 

別に違和感のない文章だと思った方、結構多いと思います。

最近では断捨離に加え、ミニマリストのような出来るだけものを持たない主義も注目され始め、「巨万の富」というワード自体がもはや時代遅れというか少しチープな響きがします。本でもテレビでもラジオでも、モノに溢れる生活との決別、モノがなくても豊かな人生が送れる、という主張を本当によくみかけるようになりました。

 

 ただ、そういう生活を送れるのは独身か、同じ考え方をもった二人が結婚した場合に限られてしまうでしょう(そうはいっても実際に実践するのは簡単でないと思いますが)。

実際のところは、ローンの支払いや子供の養育費などにばんばん金を吸い取られていて、日々の現実を生き抜くのに精一杯になりがちです。

そんな日々を過ごしていると、「巨万のでなくてもいいから『それなりの』、いえもっと控えめに『ちょっとした』富を持てたら、生活の選択肢が増えるのになあ」なんて考えちゃいます。

 

そういう状況で最初の一文を読んだら、頭の中でいろいろと現実と理想の葛藤が出てきてしまったんです。

あくせく稼いでどうすんの?一定以上の資産を稼ぐと幸福度は大して上がらないって知ってるよね?巨万の富と幸せのどっちかしか選べないなら、どっちをとるの?幸せでしょ?

 

だったら、多様なコミュニティを持った方がいいんじゃないの?

金を稼ぐことそのものは今まで通りでいいけど、視点を「金を稼ぐこと」から「多様なコミュニティを持つこと、そのために(積極的に)金を使うこと」に変えるべきじゃないの?

 

藤原さんは「どうして人との絆を結ぶ物語にお金を使うべきなのか」について次のように解説しています。少し長いですが引用させていただきます。

なぜなら、きずなの獲得が自らの居場所=コミュニティにつながっていくからです。

多くの日本人は基本的な生活の基盤を持ち、ある程度のモノを手に入れています。日本は間違いなく便利になり、快適に暮らせるようになりました。しかし、それでも日本人がが幸福感を味わえないのには重大な理由があると私は思っています。

それは、幸福感の本質が理解できていないということ。

つまり、人間は一人では幸せに生きられない、ということをわかっていないのです。

(中略)

本当の絆を獲得するために、お金を使う。自分の居場所を見つけ、参加できるコミュニティを獲得するためにお金を使う。そこで楽しく話をすることができる共通のテーマや言葉、知恵や技術、そして対人関係スキルを手に入れるためです。

安心して付き合えて、一緒にいれば心地よくなれる仲間を得る。思いや美学を共有し、一緒に汗をかく。そういう場所をいくつも持っている人が「中規模に継続する幸福感」をゲットします。

 

じゃあどうすれば多様のコミュニティで仲間を得られるのというと、藤原さんの言葉で一言で言うと「自分をレアな存在にすること」が重要なのです。

「おお、この人はこういう人なのか」と記憶に残るお金の使い方をしましょう。

 人に喜んでもらえるような知識だったり、スキルだったり、趣味だったり、人脈を持つこと。そうすることで、コミュニティの中に居場所が見つかり、コミュニティにいる意味が生まれます。

 

そんな知識とか趣味とか人脈なんてないよ!という方。

安心してください(?)、今のぼくにもありません。そんなぼくでも「自分をレアな存在にできる」お金の使い方が18種類、この本でも紹介されているんです。

 

本を読んでいただければ藤原さんの幸せになるお金の使い方があますことなくりかいできますが、藤原さんの1つの原則だけ心に刻んでいただければ、あなたのお金の使い方に関する視点はガラリと変わることでしょう。

 

人との絆を結ぶ物語でなければ、お金を使わない

 

政治に経済に、ますます不透明感が高まる世の中だからこそオススメする一冊です。