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マネーラウンジ

お金は、ただのツールに過ぎない。

インターナショナルスクールと普通学校の費用を比較したら

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教育機関に期待すること

突然ですが、現在2歳の娘がいます。

 

妻もぼくも子供の教育について

きちんと考える必要があると感じていて、

一年以上にわたり子供をどのような教育機関に

入れるべきかを話しあってきました。

 

その結果、少なくとも次の2つを

満たすところにしようということになりました。

 

  • 母国語である日本語とグローバル共通語である英語をともに習得できるバイリンガルを育てていること
  • 物事を自分で考え発信する主体的な行動力を育くむ姿勢があること

 

この2つを最低限身につけられれば

世界のどこにいても生きていけるのではないか

と考えたためです。


そしてこの10月、長女は

インターナショナル(プリ)スクールに

通い始めます。


小学校卒業までそこに所属する予定。

相性が合えばいいのだけれど。

 

ちなみにインターナショナルスクール(以下、インタースクール)といっても、

学校教育法第一条に規定されている学校(通称「一条校」)ではなく、

国際的な資格である「IB(国際バカロレア)認定校」でもありません。

そのため中学からは普通の公立や私立に通うことになります。

 

高いから検討しないのか。安いなら通わせたいのか。

ということで、我が家の教育機関に関するプランは

今のところ道筋が出来ているのですが、

周りの友人や職場の同僚のケースでは、

「インタースクールは高そうだから」

と言って検討する素振りさえみられません。

 

英語力や主体的な行動力の必要性については

理解を示すものの、従来型の幼稚園や学校に

通わせて(通わせようとして)います。

 

もちろんそのこと自体は各家庭の

教育方針があるため構わないのですが…

 

ここでふと思いました。

インタースクールが高いから検討しないのであれば、

手が届く費用だったら検討するのだろうか。

もしそうならば、インタースクールはどれくらい高いものなのか。

 

我が家もお金に余裕があるわけでは全くないのですが、

学費に関してはきちんと数字に落とし込んで

比較検討していなかったので、調べてみました。

 

幼稚園から大学卒業までにかかる費用

まず見ていただきたいのが、文部科学省のレポート(下表)。

平成21年度の文部科学白書データですが、現在でも参考に値するものです。

 

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(出所)平成21年度 文部科学白書

第1章 家計負担の現状と教育投資の水準:文部科学省

 

 

サンプル数が多くないので恐縮ですが、

友人や同僚の子どもの進路プランを見聞きしていると、

多くは次の2パターンですね。

 

A 幼・小は公立、中・高は私立、大は国内(ここでは私立とする)
B 幼は公立、小・中・高は私立、大は国内(ここでは私立とする)

 

上の表から試算すると、幼稚園入学から大学卒業まで、

Aにかかる平均費用は約1,500万円、Bは約2,200万円となります。

小学校を公立から私立に変えるだけで約700万円増えるんですね、

私立小学校おそるべし。

 

我が家の教育プランと費用

そして我が家(C)のプランはこちら。

C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、大は国内外どこでも(大は学費を援助しない)

 

子どもがプランと違う進路を主張したら

検討するのは言うまでもないことです。

しかしこの記事の主旨は比較することなので、

上記のプランで試算していきます。

 

娘が通うインタースクールの場合、

ざっくり2~6歳(5年間)は年間授業料が100万円、

7~12歳(6年間)は130万円とすると、

小学校卒業までに1,280万円かかる計算です。

また、上の表をみると、中・高を私立とすると660万円かかります。

 

そして大学の学費は一切出さない予定。

行きたければ自分で工面すること。

ここは多くのご家庭と異なる認識だと思います。

 

我が家では、大学の授業料に充てるお金を

幼少期から英語力と主体性を育むことに充てた方が、

結局は自分なりの選択肢を見つけ後悔なく意思決定する力がつく

と考えています。

 

将来は教育の選択肢が多くなる

今でさえ"Coursera"や"edX"のように、インターネット環境さえあれば

ハーバードやMITの授業を無料で受けることができ、

有料ですが単位も取得することが出来る時代です。

(現時点では残念ながら学位までは取れないようです。)

 

また、文部科学省は国際バカロレア認定校等を

2015年11月の88校から、2018年までに200校以上に

増やす戦略を提言しています。

 

例えば公立高校で英語の授業が行われIBの資格を得られるなら、

現在よりも経済的にかなり安く済みます。

 

ということで、子供が中学・高校や大学に行く頃には

今よりも幅広い進路の選択肢が出てきていると考えています。

 

ともあれ、大学の学費を一切出さないとすると

(幼・小)1,280+(中・高)660=1,940万円。

 

仮に大学生のときに月5万円の補助金を4年間出す場合、

追加で5万円×48カ月=240万円なので合計2,280万円。

月10万円の補助金なら480万円の追加で、合計2,520万円です。

 

 有名インタースクールはやっぱり高い

 ちなみに、有名なインタースクールはずっと高いです。

 

ホームページからざっくりと試算したところ、

例えばキムタク・工藤静香夫妻の子どもが通うといわれている

「ブリティッシュスクール・イン・東京」は

授業料だけで幼稚園~高校までで3,700万円、

宇多田ヒカル出身の「アメリカンスクール・イン・ジャパン(調布市)」は

バス代を含めると同4,300万円かかります。たっけぇ・・・。

 

ここまでのまとめ

以上をまとめると、

A 幼・小は公立、中・高・大は私立 1,500万円
B 幼は公立、小・中・高・大は私立 2,200万円
C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、大は出さない 1,940万円(月10万補助で2,520万円)
D 幼・小・中・高は有名インタースクール 高校卒業までで4,000万円前後(お金持ちコース)

 

金額をみると明らかにDが飛び抜けてます。

ここまで高いと実際に通わせる検討対象にならないと思うので、

今回はDは比較しません。

 

いよいよ比較開始

そしてCですが、月10万円補助すると2,520万円と、

A・Bよりも結構高いですね。

しかしそのような単純比較では終わりません。

 

我が家の狙い通りに行けば、

Cでは小学校卒業までに英語力と

主体的な行動力(の基盤)が身に付きます。

 

インタースクールは日本の学校と異なり

主体的に意見を発信することが日常的に求められており、

ときには成績に関連付けられているためです。

 

また普通学校に行ったら英語の勉強に当てなくてはならない時間を、

他の勉強・研究・体験・遊びに回すことが出来ます。

 

英語習得にかかる時間は3,500時間

「主体的な行動力」は残念ながら数値に換算できないので、

ここでは英語力に絞って考えましょう。

 

英語を習得するには何時間かかるのか。

定説はありませんが、ネットで調べる限り

3000~4000時間はかかるという主張が多いように感じます。

ここでは単純化するために3500時間としましょう。

 

学校の英語授業時間は復習・宿題を含むと

1000~1500時間と言われています。

小学校の英語授業が増加傾向であることを踏まえ、1500時間とします。

 

すると、英語を大学卒業までに習得するためには、

3500時間-1500時間=2000時間の追加学習が必要

ということになります。

 

式で表してみる

ちょっとここで一歩引いて、式でまとめてみましょう。

(得られるもの:プラス、支払うもの:マイナス)

 

<再掲>

A 幼・小は公立、中・高・大は私立 1,500万円

B 幼は公立、小・中・高・大は私立 2,200万円

C 幼・小はインタースクール、中・高は私立、

      大は出さない(月10万補助で2,520万円)

 

◆ 一般的な日本の学校(小学校から大学まで私立)にいく場合に

       獲得するもの(=獲Aとする)

獲A=-1,500万円+(英語力)-(英語習得にかかる総費用)

 

◆ 一般的な日本の学校(小学校から大学まで私立)にいく場合に

       獲得するもの(=獲Bとする)

獲B=-2,200万円+(英語力)-(英語習得にかかる総費用)

 

◆ 幼少期から小学校卒業までインタースクールに行く場合に

       獲得するもの(=獲Cとする)

獲C=-2,520万円+(英語力)+(英語勉強せずに済む2,000時間)+(主体的な行動力)

 

結論

獲Cと獲A、もしくは獲Cと獲Bの差がプラスなら、

小学校までインタースクールに通わせた方が

経済的におトクということになります。

 

  • 獲C-獲A=(2,000時間)+(英語習得にかかる総費用)+(主体的な行動力)-1,020万円
  • 獲C-獲B=(2,000時間)+(英語習得にかかる総費用)+(主体的な行動力)-320万円

 

まず「英語習得にかかる総費用」ですが、

TOEIC・IELTSなど試験対策の教材、

英会話学校、短期留学などが含まれます。

 

数百万円万かけても英語がまったくモノにならない人もいれば、

ほとんどお金をかけずにビジネスレベルの英語力をつける人もいるでしょう。

仮に ここでは120万円とすると上の式は次のようになります。

 

  • 獲C-獲A=(2,000時間)+(主体的な行動力)-900万円
  • 獲C-獲B=(2,000時間)+(主体的な行動力)-200万円

 

次に「2,000時間」の考え方です。

2,000時間というと、1日1時間を英語学習にあてるとすれば、

5~6年間程度に相当します。

 

学生時代という多感な時期の5~6年間、

1日1時間をもっと興味のあることに使わせて

あげられる可能性があると思えば、高くないと思います。

タイム・イズ・マネーです。

 

PS

当然ながら、そんなお金に余裕がないという声は多数あると思います。

 

ごもっともです。

文部科学省のサイトをみると、

日本政府が出している教育費の比率(対GDP)は5.0%と、

先進諸国のなかでもかなり低いです。

 

以下OECD「図表で見る教育2014年版」からの引用です。

日本における在学者一人当たりの教育支出(公財政支出と私費負担の合計)は、OECD加盟国中比較的高い。2011年における、初等教育から高等教育までの在学者一人当たりの年間教育支出額は10,646米ドルであり、これはOECD平均の9,487米ドルよりやや高い。

 

上記のとおり日本の教育支出(金額そのもの)は

OECD加盟国のなかでも比較的高いのですが、

対GDP比では小さくなっています。

日本では、生徒一人当たりの支出は比較的高いが、GDPに対する教育支出総額の比は小さく、これは日本の高いGDPや学齢人口の減少を一部反映している。日本のGDPの2.9%が、初等中等教育及び高等教育以外の中等後教育に対する公私支出に充てられているが、これはOECD平均の3.9%と比べ著しく少ない。


個人が教育に支払わねばならない費用はもっと下げて、

選択できる教育の幅をより広げるべきです。

大阪府は高校無償化制度(収入制限あり)を導入しており、

教育の選択肢の平等という点でとても好ましい傾向だと思います。

 

おわりに

以上、インタースクールに通わせるか否かを

経済的な観点から見てきました。

 

当然ですが、こちらは複数の前提を仮定した試算です。

主体的な行動力が普通学校できちんと身に付く生徒もいるでしょう。

英語習得に1円もかけずにビジネスレベルの英語力を

獲得できる生徒もいるでしょう。

娘が海外大学に行ったら寮費など、

上記に含んでいない費用がかかるでしょう。

 

それでも我が家のように、小学校までインタースクールに

入れるプランを見ることで、何らかの気づきになれば幸いです。