子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせるのに必要な適正年収は?
はじめに
この10月から、子供がインターナショナルスクール
(以下インタースクール)に通いはじめました。
いわゆる有名なインタースクールとは違って外国人はあまりおらず、
バイリンガル教育と主体的な行動力を育むことに力をいれているところです。
インタースクールを選んだ背景や
普通学校との経済的比較については、前回紹介しました。
その翌日、興味深いレポートを発見。
発見というか、はてブロのトップ記事。
それは日本で子供2人を育てる適正年収をレポートしているものでした。
まだまだ小さい子供2人をこれから育てあげる
我が家にうってつけのテーマで即クリック。
熟読完了。
なるほど日本では、子供2人を育てるのに年収650万円必要だと。
シミュレーションにおいては、
比較的影響度の小さい項目はざっくりとしつつ、
影響が大きいものは丁寧に入力しており、
リアリティ感が十分ある。クオリティ高し。
・・・・このシミュレーション、
ウチのケースでやってみたいんだけど!
というウズウズがとまらないので、やってしまいました。
幾つかの項目はRepoLogさんをリスペクトし、
そのままパクらせて活用させていただきました。
満たしたい条件
RepoLogさんのレポートでは、
以下の3条件を満たす適正年収を試算していました。
- 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
- 子供2人を奨学金を借りることなく大学を卒業させる
- 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる
今回のシミュレーションでは
2つ目の条件を少しアレンジしています。
- 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
- 子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせ、奨学金を借りることなく大学を卒業させる
- 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる
なおインターナショナルスクールを小学校までとする理由は、
- 我が家の娘が通うスクールが小学校までであること、
- 我が家で重視している「バイリンガル」および「主体的な行動力」の素地は小学校卒業程度で出来上がると考えたこと、
- 高校卒業まで通わせるのは費用が高すぎて検討対象にならない可能性があること
が背景です。
ローンについて
インターナショナルスクールを検討するファミリーが
もっとも多いと考えられる、東京で中古マンションを購入して
ローンを組んでいると考えます。
東京カンテイ社の最新レポートによると、
東京都の中古マンション価格は70㎡換算で5,200万円。
4人家族ということで広さは80㎡とし、
マンション価格は6,000万円とします。
【方法】住宅金融支援機構・資金計画シミュレーションを利用
RepoLogさんと同様、資金計画シミュレーション - 住宅金融支援機構
を利用することで、分析を行っていきます。
【入力】35歳夫婦で年収1,000万円を想定
世帯主情報について
ここでは35歳の会社員を世帯主として入力します。
あまり複雑にならないように35歳直前で手に入れた
マイホームの諸費用はすでに払い終えた状態を想定します。
ここでの入力データは、年収の1つの大台である
1,000万円を基準としたものです。
なお年収が1,000万円を超える人の割合は4.1%。
街を歩くサラリーマンを25人集めたら1人は
1,000万円を超えていることになります。
ちなみに退職金はあえて入力していません。
各人で大きくことなるものですし、
後でわかりますが結果のグラフが歪みやすくなるためです。
続いて、家族情報です。
家族情報について
想定としては同じ歳の配偶者がおり、子供は
1歳の長女と、翌年次女が生まれることとします。
妻の就業状況はRepoLogさんを参考にさせていただきます。
現在育児に専念しており収入はありませんが、
次女が2歳になったら月8万円程度(年間100万円)稼ぐ前提です。
夫婦でフルタイム勤務ではなく、
世帯主の所得をサポートする程度となります。
家計支出&児童手当情報について
まず住宅ローン6,000万円を30年ローンで借入れ、
中古マンションを購入したこととします。
金利はフラット35を想定し、1.5%の30年全期間固定とします。
続いて毎月の生活費について紹介します。
こちらの金額は、生活費については
我が家のデータを参考にしています。
Replogさん同様、生活費の中に保険代も含んでいます。
その他の支出として、
車購入代…100万円の軽自動車と150万円の家族用中古車
家族旅行…年1回程度
住宅関連費…火災保険・地震保険・家電買換え
車維持費…車検代・税金・修理費
これらを計上していきます。
児童手当情報についてもReplogさんと同じく付け加えておきます。
最後に、子供2人分の教育費について入力します。
教育費はReplogさんとは大きく異なる部分です。
子供2人分の教育費について
今回の分析においては、
幼稚園と小学校がインタースクール、
中学校から大学までは私立に通うという設定を考えていきます。
入力金額の根拠ですが、
我が家の子供が通いはじめたインタースクールは2歳から入れます。
授業料と課外活動費を含めると年間120万円程度の
授業料がかかると想定されるため、5年間(2-6歳)で600万円。
入力できるのが最大3年だったため、年200万円としています。
小学校は年間150万円程度を見込んでいましたが、
当シミュレーションで自動入力される金額が153.6万円だったので、
そちらを採用しました。
中学校と高校では当シミュレーションの自動入力される
数字を使用しています。
さて大学ですが、授業料については文部科学省の平成25年度
「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査」を使用しています。
長女:私立文系に進学
次女:私立理系に進学
とし、4年間にかかる授業料総額を足しあげていき、
それを4で割って年平均額としています。
また自宅から通学するものとし、
月5万円(年60万円)の援助を行います。
それ以上の生活費はアルバイトでまかなうとします。
以上が、ここでの状況設定となります。
35歳で年収1,000万円、住宅ローンは年収の6倍とすこし高めです。
シミュレーションでは、1,000万円でやりくりができるのでしょうか。
【分析その1】35歳で年収1,000万円のケース
シミュレーション結果は、
年収1,000万円では子供2人を育て上げるには
必要年収に達していないということになりました。
正直全然足りません。
次女がインタースクールに入ると同時に
貯蓄がみるみる減っていき、
次女が大学を卒業するまでマイナスが続きます。
続いて、年収がもう少し高い場合の分析です。
こちらが今回のメイン結果となります。
【分析その2】35歳で年収1,150万円のケース
冒頭に掲げた3つの条件
- 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
- 子供2人を小学校までインターナショナルスクールに通わせ、奨学金を借りることなく大学を卒業させる
- 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる
これらをクリアしています!
35歳時で年収1,150万円が必要という結果。
最初の分析である1,000万円から変更した点は年収のみです。
「あれ?3つ目の条件クリアしてなくね?」
という疑問を持った方、そのとおりです。
収入情報で退職金を入力しなかったので、
例えば60歳で500万円以上の退職金を得ていることが、
3つ目をクリアする条件となります。
【結論】子供2人を小学校卒業までインタースクールに通わせる適正年収は35歳で1,150万円以上
この結論をみて、みなさんはどう感じましたか?
私は正直にいうと、案外手が届く人が多いかなと。
今まで敬遠していた人も検討できる可能性があるなと感じました。
金融業界の友人や同僚を見渡すと、外資系でなくても
家賃補助や交通費補助など含めればは、1,150万円は
非現実的な高嶺の花ではないように思います。
今回の分析はおそらく万人受けしないと思います。
ただ、インタースクールに関する情報は少なく、
いたずらに「インタースクールはやたら高い」という
イメージだけで検討対象から外す人がいるのならば
とても勿体無い話であり、少しでも参考になれば幸いです。
PS
有名インタースクールは超高いです。
幼稚園から高校卒業まで入れると約4,000万円。
我が家では瞬時に検討対象外です。。。